切削加工の精密なものづくり、材料特性に応じた加工ノウハウ|株式会社 田中製作所
マグネシウムは実用金属の中で最も軽く、比強度・比耐力・比剛性(比重に対する各特性)も高いことから、軽量化や強度確保などを目的にマグネシウム合金の利用度が高まってきています。また、従来の「熱に弱い」性質を克服するため、新たに「耐熱マグネシウム合金」の開発も進んでいます。耐熱マグネシウム合金は高温環境下でも精度・強度等を保持できることから、さまざまな分野への適用が期待されます。ただし、その物理的特性から切削加工時に発火しやすい難点があり、これまで有効な切削加工方法は確立されていませんでした。
マグネシウムは比重1.74。実用金属中、最軽量。軽金属の代表格アルミニウムと比較しても約3分の2の比重。少量の添加元素を加えたマグネシウム合金も軽量化を主目的として使用される。
田中製作所は、「マグネシウム合金の特性を活かしながら、高精度な部品を安全に、しかも作業時間や工期の短縮によってコストを削減して製作する」という課題に取り組み、創業以来培った加工ノウハウと技術開発力により、その難関をクリアしました。これまでマグネシウム合金を使用した精密部品の適用が求められながら、切削加工における諸問題(発火性の問題とともに切削により発生する切粉の処理の問題等)によって製造が見送られていた分野、たとえば自動車エンジン用の高精度部品などにも利用価値が広がりました。部品の軽量化によって、省エネやCO2排出量削減などの環境効果も期待できるようになったのです。